不妊症の原因
男性不妊の問題
不妊の約40%は男性因子によるものです。精子数、精子の動き、または、正常な形の精子が少ないことが原因です。
男性不妊には多くの原因があります。
- アルコール、たばこ、その他の違法薬物の過剰使用
- 精子の通り道を閉塞する可能性のある前立腺や尿道の感染症や性感染症
- 男性ホルモン剤の使用
- 環境中の毒素や化学物質への接触
- 放射線への暴露
- 長期間の高熱などによる精巣の過度の過熱
- クラインフェルター症候群、嚢胞性繊維症、Y染色体微笑欠損等の遺伝的な問題
精子の異常は、以下によって引き起こされる可能性があります:
- 外傷または感染による睾丸の炎症
- 陰嚢上のねじれたまたは腫れた静脈(静脈瘤)
- 異常な睾丸、幼少時の停留精巣
- ヘルニア、おたふくかぜ、精巣の温度上昇
身体的な異常による男性不妊として、逆行性射精(精子が膀胱内に逆流すること)、勃起不全、もしくは精巣や精管等の生殖器官に影響を及ぼす身体構造の異常があります。精子を運ぶ管の閉塞やY染色体の一部が欠けている遺伝的な異常(Y染色体微小欠失)もまた男性不妊の原因です。加齢による影響は定かではありませんが、特に65歳以上の男性の精子の質の低下が報告されています。
薬による精子の数や質の低下についてはまだ詳しく研究されていないため、多くの薬が精子に影響を及ぼすかどうか分からないままに処方されています。精子に影響を及ぼすとわかっている薬を以下に示します。
- ステロイド;テストステロン、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、HCG
- シメチジン錠(タガメット錠)
- サラゾスルファピリジン(アザルフィジン)
- サラゾピリン(サラゾスルファピリジン)
- コルヒチン
- メサペイン錠
- メトトレキサート錠(フォーレックス)
- フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)
- プレドニゾン(副腎皮質ステロイド)
- スピロノラクトン錠(アルダクトンA錠)
- クロニジン(カタプレス錠)
- チオリダジン
- カルシウム拮抗薬(高血圧用)
重度のけが、大きな手術、糖尿病、HIV、甲状腺の病気、肝不全、腎不全、心臓発作や慢性の貧血等も精子の質に影響することがあります。
男性不妊の治療としては、感染症に対する抗生物質の投与、ホルモンバランスの乱れを改善するホルモン剤の投与、環境汚染・放射能・化学物質・農薬への暴露を避ける、過剰なアルコールの摂取・喫煙や違法薬物・潤滑ゼリーの使用を避ける、射精の問題に対する治療、身体構造の問題に対する手術等があります。オメガ3、Naturally Smart、Proxeed等のサプリメントを摂ることでも男性の生殖能力や精子の質を高める効果が期待されます。
男性因子による不妊症の治療の一つとして人工授精があります。人工授精とは女性の排卵のタイミングに合わせて男性の精子を膣から子宮内に注入することです。また、一つの精子を卵子に直接注射して受精させる顕微授精(ICSI)と呼ばれる高度な技術も非常に効果的です。顕微授精は精子の数が非常に少ない場合によく使用されます。射精された精液の中に精子のない男性でも、精巣や精管から直接精子を採取する技術が大きな成功を収めています。極度に精子数の少ない男性や無精子の男性では、精子ドナーを使用するという選択肢もあります。
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