不妊症の原因
健康問題 (体重、がん、遺伝性疾患)
体重
体重管理は妊娠しやすい体にするためにとても重要です。痩せすぎ又は太りすぎのカップルは体重のコントロールをすることで妊娠の可能性を上げることができます。BMIは体重と身長をもとに体脂肪を計算した数値です。標準のBMIは19から24です。19以下は痩せすぎ、30以上は肥満とみなされます。ほとんどの女性は体重の問題に関わらず妊娠することができますが、体重の問題により、妊娠するのが難しいカップルもいます。これは体重が排卵の問題を招いていることがほとんどです。BMI19以下の痩せすぎの女性は月経不順、さらには排卵しなくなることがあります。肥満も、排卵や妊娠率に影響します。甲状腺の病気、糖尿病やインスリン抵抗性もまた、妊娠に影響しています。このような問題を医師と話し合うことが妊娠するための第一歩です。肥満は、体外受精による妊娠率の低下、流産率の増加、妊娠性糖尿病や妊娠高血圧症候群のリスクの増加にも関係しています。さらには、帝王切開率、巨大児や奇形児のリスクも上がります。また、肥満男性は 普通体重の男性に比べて精子の数や動きの低下がみられます。肥満女性、肥満男性ともに妊娠する前に体重管理について医師と話し合うことをお勧めします。私たち生殖内分泌医はあなた方の年齢、不妊症の原因、健康等すべての因子について考慮したうえで体重管理についてお話します。
がん
がんの治療は不妊症を起こすことがあります。アメリカでは、800,000人以上の生殖年齢の男女が、がんと診断されています。男性女性ともにがんの治療をする前に生殖性を保存することができます。卵子、受精卵、精子を凍結保存することで、がんの治療後に子どもを持つことができます。詳細は以下の選択肢をクリックしてください。
習慣性流産
習慣性流産とは女性が2回以上流産を経験した場合に診断されます。流産を経験することはカップルにとって計り知れないくらいつらいことです。流産を経験した後でも、治療をせずに健康な妊娠出産を経験するカップルはたくさんいます。場合によっては、流産のリスクを減らすことのできる治療をお勧めすることもできます。
流産にはたくさんの原因があります。その例として、子宮の形態不全、子宮筋腫、糖尿病や甲状腺ホルモンのコントロール不全、月経不順、または血液の凝固異常などがあります。
習慣性流産を経験している約5%の患者さまにはカップルの1人に染色体の転座や並べ替えが見られます。胎児に染色体の異常がある場合には高い確率で流産に至ります。血液検査によってこの染色体の転座や並び替えがあるか確認することができます。もし、このような異常があった場合には、今後どうすれば良いのか遺伝カウンセラーと相談することをお勧めします。流産を経験した後でも、多くのカップルが、自然に健康な妊娠出産をすることができますが、体外受精をするということも1つの選択肢です。体外受精では採卵後に精子と卵子を受精させ、子宮に戻します。子宮に戻す前に受精卵の染色体検査をすることができます。このテストを着床前遺伝子スクリーニング Pre-Implantation Genetic Testing for Aneuploidy(PGT-A)といいます。この検査によって、正常な染色体をもつ受精卵を子宮に戻すことができ、健康な妊娠の可能性を上げることができます。
コンサルトの予約をする